
選ばれる店

ギラつく太陽、そして時々スコール。
アスファルトが濡れて、またすぐ乾く。
そんな真夏のある日パン食べ放題を中止していた店舗が
パンの食べ放題を復活したと聞いて行ってきた。
ベンチマークしていた店舗だけに期待していたが、
なんらエンタメ感やバリュー感を感じる事ができず、
席も随分と空いていた。この違和感はかなりの収穫があった。
「ゲストの退店が早い」
滞在時間が短いということは、パンの食べ放題という
コンテンツが「楽しむもの」ではなく、
「必要数とったらすぐに済ませるもの」として機能している可能性が高い。
パンの内容や提供方法にも注目したが、どれも定番品にとどまり、
「どんなパンが出てくるんだろう」というワクワク感がない。
補充の店舗や並べ方にも工夫がなく、まるで”置いてあるだけ”といった印象を受けた。
さらに気になったのは、スタッフの動きと表情。
ホスピタリティというより作業感が目立ち、場に温度がなかった。
これでは「食べ放題」という言葉だけが一人歩きし
ブランドとしての魅力は育たない。
結局、食べ放題を”復活”させたという事実はあれど、そこに
「なぜ再開したのか」「どう楽しませたいのか」という
ストーリーが伴っていない。その結果、以前ベンチマークしていた頃にあった
”ブランドとしての説得力”が薄れてしまったように感じた。
この体験から得た一番の学びは、「機能性だけでは価値は生まれない」ということ。
コンセプトに魂を通さなければ、どれだけ話題性のあるメニューを打ち出しても
ゲストの心は動かない。
「選ばれる店」になるには、目玉商品の”理由”と”演出”が必要なのだと改めて痛感した。
これから展開していく「飲食事業の店舗」もタイへ初荷を送った「リサイクル事業」も
ただ目の前の作業としてとらえるのではなく、自社のコンセプトとしての
”商品力を磨く”、”演出する”、”ゲストのニーズを的確に捉える”
「選ばれる店」になるために必要不可欠なことだろう。
